正露丸の戯言

ほげ~~~

【挑戦】ただの休日でも小説みたいに文章を詰め込めば良い1日に見えるのか?

こんにちは。正露丸です。

 

みなさんは充実してますか??休日

あまりにも充実してるか知りたすぎて初手から倒置法にしてしまいました。

 

ちなみに僕は信じられないくらい何もしていません。でも・・・

 

 これなんです。ということで、今回は小説ってあるじゃないですか?皆さんは知らないと思うんですけど。年間10冊という圧倒的な読書量を誇る私が、小説っぽく今日あった出来事を書き並べて、充実した1日を過ごしたと錯覚させていきたいと思います。

 こんなことは初めてやるので「全然小説っぽくねぇじゃねえかカス!!!!」という意見は1ミリも受け付けません。

 

それでは、レッツラゴー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1章 起床

 8月20日の日曜日。体中にかいた大量の汗とカラカラに乾いた喉で目が覚めた。去年買った紺色のカーテンからわずかに漏れ出す光は黄色く光り輝いていた。「あぁ、もう昼か・・・」この感覚は一度も間違えたことがない。朝は黄色く光り輝いているというより、白く澄んだ光が自分のもとに届いてくる感覚だ。

 そういえば今日は町内会のパークゴルフ大会だったか。大会を盛り上げるための大音量の音楽が寝室に届く。

 フライドポテトが一面に敷き詰められたスマホのロック画面から時計を確認すると、案の定12時半と表示されていた。昨夜は深夜2時までスマホをダラダラ眺めていたためこの時間に起床という始末になってしまった。

 休みの日は必ずこのくらいの時間に起床してしまうので、今日こそは早く寝ようと思うが毎回2時~3時まで夜更かししてしまう。これは自分の意志というよりかは神が自分の寝る時間を設定していて、それよりも早くも遅くも寝れないようにしているのではないかと思うくらいには寝れない。

 

 昨夜のSNSでは、フォロワーたちが朝勃ちの話で盛り上がっていた。自分もその中に割って入りたかったが、思った以上に自分の朝勃ちへの理解と解像度が浅く入ることができなかった。今までも散々してきた朝勃ちのことを何も知らない。この事実は結構悔しかった。その話がやけに面白かったため、続きが気になってしまい寝ることなんか完全に忘れて食い入るように見てしまった。深夜12時半の出来事である。

 それからは目一杯ブルーライトを浴びてしまい、結局寝たのは2時頃ということになる。これも神からの思し召しなのだろうか。

 だとしたら神にはこう言っておく「夜中に朝勃ちの話なんかさせるな」と

 

第2章 炊事

 起床後、ボサボサになった髪を搔きむしりながらトイレで小便を済ませた。朝一番の小便は、昨日抱え込んだストレスや汚れを一気に放出してくれているみたいでとても好きだ。

 そんな自分の中の朝シャンを済ませていると、とんでもない事実に気づいてしまった。「腹が減った」ということに。

 冷凍庫を開け、冷凍ご飯を確認する。見事にからっぽで保冷剤しかないさみしい冷凍庫だった。なんとなくそんな予感はしていた。でももしかしたら自分の勘違いで冷凍ご飯が1つでも残っているのではないかと思っていたが、そんなことは全くなかった。そういう淡い期待ほど実現しないものだ。

 仕方がないので米を炊くことにした。毎回食べる分の米を炊くのは億劫なので、一気に炊飯器の限界の5.5合を炊き、小分けに冷凍するというスタイルを取っている。「一気に炊いて冷凍した方が楽なのでは?」と気づいたのは、一人暮らし5年目の春だった。           

 私は炊飯窯に水を入れるときが好きだ。すでにパンパンに入っている5.5合分の米たちをよそに、何の遠慮もなく集団で突っ込んでいく。なんて容赦のない新人だろう。後から入ってきたくせに、米の何倍も乱入し、窯を水で埋め尽くす。その水の量によって炊飯の仕上がりが変わってくるというのだから、何とも皮肉な話である。

 注水するときにしか聞くことができない水と米がぶつかる音も最高だ。あれはまさにさざ波である。牛だらけの海のないど田舎に小さな海から響くさざ波は、牛の糞の匂いを忘れさせてくれる。

 とはいえこの幸福な時間も一瞬である。我が家は無洗米のため、研ぐという工程がない。自分でさざ波を奏でることより時間のコストパフォーマンスを優先してしまった。2,3回ほど水を捨てたらいざ炊飯。さて何を食べよう。チャーハンは昨日食べたし冷蔵庫は最低限のものしか買っていないため、おかずになりそうなものが全くない。

 とりあえず、炊きあがるまでに何を食べるか考えよう。

 

 ふと冷蔵庫を見ているとさらに気づいてしまった。ゆで卵がないということに。俺は圧倒的に肥満体型なのでダイエットをしている。週に3,4日、市販の野菜サラダにゆで卵2個、ブロッコリー100g、鶏むね肉100gをのせてサラダにして食べている。これが劇的に不味いのだが、仕方ないので食べている。

 そのゆで卵がないのだ。かなり致命的である。「今日くらいゆで卵なんてなくていいか」という妥協もできるのがだが、平日週5日で仕事をしている俺にとってこの休み中にゆで卵を作らないともう作るタイミングがなくなってしまう。

 そのため、嫌でも今日、ゆで卵を作らないといけないのだ。

 仕方なく鍋に水を張り、火をかけ、沸騰するのを待つ。その間に、卵専用穴あけ器を使い、卵のお尻の部分に穴をあける。正直に言って、どちらが卵のお尻で頭かという違いは全く分からないがなんとなくで穴をあけている。

 水が沸騰した。俺は1個ずつトングで8個の卵を丁寧に鍋の中に入れていく。10個茹でて5日分のゆで卵を作っておきたいのだが、5日もゆで卵を放置しておくと、白身部分がヌメヌメして最悪の味になってしまう。

 丁寧に入れる理由として、あまり雑に入れすぎると中で卵が割れてしまって白身が浮かんできてしまう。大きな精子みたいで気持ち悪いので、なるべく割るということはしたくない。

 8個すべての卵を入れ切ったので、7分のタイマーをセットする。その間にボウルに水を張り、氷を入れる。ゆでた後10分間冷水に浸けると綺麗に殻が剥けるのだ。

 学生時代は、製氷機がなく、都度コンビニで氷を買って氷水を作っていたが、社会人になってからは製氷機付きの冷蔵庫を購入したため、かなりゆで卵作りが楽になった。

 俺は、このお湯に入れられてグラグラ揺れている卵を見ていると不安になってくる。卵が温まったら、ひよこみたいな怪異が俺めがけて突っ込んでくるのではないかという気持ちに駆られる。だから茹でられている卵はなるべく見ないようにしている。

 あとは7分待つだけだ。

 

第3章 洗濯

 洗濯もしてしまおう。俺は全ての家事で洗濯が1番嫌いだ。

黒と白を分ける、スイッチを押す、黒の洗濯物を入れる、洗剤を入れる、柔軟剤を入れる、40分くらい待つ、ハンガーにかけて干す

 という工程を白の洗濯物でもやらないといけない。少ない洗濯物の量で洗濯をするとなんか損した気分になるので、週1回まとめて一気に洗濯をする。

 そのためとても量が多い。これが億劫で仕方ない。一番嫌いな作業が、ハンガーにかけて干すところだ。これが苦痛で仕方ない。本当に何も楽しくない。そのレベルで洗濯が嫌なのだ。

 さらに俺は週4で筋トレをしている。つまり汗をかくのだ。それを1週間も放置するため、まぁまぁ臭い。夏場なら余計に臭いのだ。

 ドラム式洗濯機に乾燥までやってもらいたいが、20万~30万くらいするそうだ。我慢して自分で干そうと思う。

 ということで、まずは黒の衣類から洗濯機に入れよう。今週は8月なのに16度という驚異的な寒さを記録したため長袖のパジャマを着たり、草刈りをしたためつなぎを着たりと今週の洗濯物は無駄に多い。

 大量の衣類を洗濯機に投入し約40分ほど待たなければならない。この時間も何か落ち着かないので洗濯というのは嫌いである。

 そんなことをしている内に、ゆで卵用に用意した7分のタイマーが大声で俺に呼びかけてきた。

 トングで1個ずつ取り出しすぐさま冷水に浸ける。このまま10分待とう

 

第4章 刺激

 今現在、炊飯、洗濯、ゆで卵という長時間待たなければいけないタスクを3つこなし、待っている間暇なのでSNSをダラダラと眺めていた。そこでこんな投稿を見つけた。

 

 『あんまり書く機会ないけど、仕事で ゐって書くたびにチャリンコみたいだな〜って思う あと下のところ○の連続で不安になる

 

 この投稿を見た瞬間、洗濯への鬱屈した気分が吹き飛んだ。「ゐ」というひらがなに対してそこまで考えたことがなかったからだ。「書き間違えた る みたいだなぁ」くらいの感想しかない。それをこの投稿者は「ゐ」で自転車を想起させ、さらには〇の連続で不安になるのだという。

 一体〇の連続のどこで不安になるのか、何に対して不安になるのか、それを敢えて書かずに読者に想像させている。

 ひらがなに対して何か感情をもつことすら珍しいのにさらには「このひらがなに対して何か一つ感想を書きなさい」という国語のテストを行ったとしても全学年から出てこないような回答が出てきたのだ。驚くなという方が無理がある。

 試しに俺もひらがなに対して感想を書きなぐってみることにした。

 抽選の結果「ほ」に決まった。

 

『「ほ」は「は」の上位互換に見えるので最後の〇を書くときに、上が飛び出しそうになる。あと擬人化したら太ってそうで可愛い』

 

 全く無理だった。凡庸も凡庸。感想も先ほどの「ゐ」に軽く引っ張られてるようにも見える。俺のような凡人がひらがなに何か感想を書き記したところで何も起きない。

 

 気づいたら俺は外を飛び出していた。この感動を誰かに伝えたくて。何も考えずに飛び出してしまったが、家を出ても周りにいたのはパークゴルフに興じる町内会の老人たちと牛のみ。冷静になった俺は家に戻った。

 

第5章 決意

 冷静になった俺は、3年落ちの緑色をしたパッソモーダを走らせコンビニに向かった。昼飯のおかずを買いに来たのだ。1品目はベーコンエッグにしようと決めた。あと1品は何しよう。そう思いながらコンビニ内をうろうろする。ハンバーグ、エビチリ、角煮など魅力的な惣菜が並ぶ中、節約をしようとそれらの惣菜には目も暮れず、ベーコンを手に取る。

 ベーコンという食材は何て良いんだろう。まず「ベーコン」という響きが食欲を掻き立てる。「ベー」で助走をつけ「コン」で着地する。名前の響きとしては完璧すぎる。「ベーコン」という響きだけでおなかが空いてくる。

 ベーコンを手に取った瞬間、その名前と見た目からくる至高の空間に飲み込まれ酩酊してしまった。

 それから数分後、我に返った俺は新たなおかずを探すことにした。から揚げ弁当やチンをするタイプのラーメン、大きなカルボナーラなどに腕を引っ張られる中、引き込まれるかとぐっと足を踏み込み堪えた。

 それらの誘惑を乗り越えた先にたどり着いたのはウインナー。ウインナーとベーコンを手にした俺はこう思った。「これを買って帰ったとしても炊きあがるのがあと30分後か」

 気づいたときには、ベーコンとウインナーを戻し、カツ丼を買って家に帰っていた。

 

最終章 執筆

 カツ丼を食い一服した後、ずっと読みたかった小説を読むことにした。今年本屋大賞を獲得した作品で、この作家の書く文章は心地がいい。読んでいるだけで大した想像力も必要とせず、かつ難しくない言葉で文章を書き、目を追っているだけで作品へ導いてくれる。乗っているだけで目的地へ運んでくれる運転手付きリムジン車を乗っている気分になる。

 その小説を読んで50ページくらい読み進めたころにこの企画を思いついた。なんでかは分からない。あの小説の素敵な文章に触発されたのか、どこからかやる気が鬼のように湧いてきた。14時半ころから執筆を開始して現在ここにたどり着いたのが21時。文章が苦手な俺としては十分ではないのだろうか。

 窓を開けると鈴虫があちこちで鳴いている。月曜日の足音が聞こえてきた。

 ダラダラしながら過ごしている日頃の土日とは比べ物にならないくらい充実していた。さぁ明日からまた元気よく仕事をしよう。

 

 そう思いながら寝ようとして歯を磨いた俺。ふと洗面台の横にある洗濯機を見たら、背筋が凍った。洗濯物を干し忘れていたのである。見なかったことにしてそのまま寝ようとも思ったが見てしまったが最後、干す以外の選択肢が無くなってしまった。絶望を抱えたまま明日を迎える。

 さっきまでの鈴虫が、俺を嘲笑うかのようにさらに大きな音で鳴いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に

いかがだったでしょうか。

 

かなり僕の休日が充実してるように見えたのではないでしょうか。

 

てかさ・・・

 

 

 

 

 

それではさようなら

 

(おしまい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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