好きな言葉は「定時退勤」どうも正露丸です。
いきなりだが、諸君は「やさいのうた」という歌をご存じだろうか?
この動画にもあるように(いちなる可愛い)「やさいのうた」は未就学児向けの歌だ。保育園や幼稚園などで先生が歌っていたという記憶がある人もいるのではないのだろうか?
この歌を聞いて思ったことがある。
整合性がない。
今回は、そのおかしな部分を徹底的に掘り下げていき「やさいのうた」を添削した上で「完全なるやさいのうた」を完成させたいと思う。
まずは歌詞を知る
まずは「やさいのうた」の歌詞を見ていただこう。
トマトはトントントン
キャベツはキャッキャッキャッ
キュウリはキュッキュッキュッ
ダイコンはコンコンコン
ピーマンはピッピッピッ
カボチャはチャッチャッチャッ
ニンジンはニンニンニン
ハクサイはクサイクサイクサイ
タマネギはエンエンエン
ゴボウはヒョーロヒョロ
グリーンピースはピースピースピース
モヤシはモジャモジャモジャ
この歌詞には1番2番の取り決めがないので、トマトからダイコンを1番、ピーマンからハクサイを2番、タマネギからモヤシを3番とする。
まずは1番を見ていこう。1番の歌詞は
トマトはトントントン
キャベツはキャッキャッキャッ
キュウリはキュッキュッキュッ
ダイコンはコンコンコン
である。
この歌詞の法則は「野菜に含まれている文字を一部抽出して3回繰り返す」ということだ。
キャベツの「キャ」
キュウリの「キュ」
ダイコンの「コン」
をそれぞれ抜き出し繰り返すことで野菜の可愛さをアピールしているのだ。
そうすると一つ問題が出てくる。
トマトについてだ。
トマトの「ト」を抜き出したのは分かる。ただそこにどこからともなくやってきた「ン」を追加することで時空を歪めている。
では、1番の法則にトマトを当てはめてみよう。
トマトを使って1番の法則で生成できる語は
トマトマトマ
マトマトマト
の2種類だ。
この2種類は、何か理由があってボツになったのだろう。
その理由を深堀りしていこう
まず「トマトマトマ」について考えていく。
これがボツになった理由は明確だ。
「トマト」が入ってしまっている。定義を説明する際に、元の単語が入ってはいけない。これは定義をする上では絶対に守らなければならないルールだ。
この事実に子どもが気になってしまい歌に集中できなくなる。
そのため「トマトマトマ」は歌詞の候補から外れたのだ。
次に「マトマトマト」について考えていこう。
これも明確だ。「的(まと)」だと思ってしまうからだ。
せっかく野菜に関する歌を歌えると思ってワクワクしてる子どもがいきなり「的」を突き付けられてしまってはもう野菜の話なんて入ってこない。どんな野菜の歌を歌っても最終的に残る感想は「的」だけである。
以上のことからトマトは1番の法則に沿ってしまうとかなり語感が悪い。すなわち、トマトは不適であるのだ。
野菜を変えなければならない。
1番の法則にしっかりと適した野菜がたった一つだけある
エリンギだ。
歌詞は「エリンギはリンリンリン」と決めれば、1番に登場するほかの野菜と同じ4文字で、言葉の抽出も「リンリンリン」と可愛らしく何のノイズもない。ただ、子どもにウケる野菜かどうかは不明である。
次に2番だ。
ピーマンはピッピッピッ
カボチャはチャッチャッチャッ
ニンジンはニンニンニン
ハクサイはクサイクサイクサイ
法則は1番と同じである。
もう皆さんもお分かりだと思うが、2番にも問題児が存在する。
ピーマンだ。
なぜ伸ばし棒という便利なアイテムがあるのに使わないのだ。
「ピーピーピー」ではよいではないか。
実は理由がたった一つだけある。
鳥の鳴き声みたいだからだ。
ピーマンのもう一つの候補として「マンマンマン」があるが、当然ダメである。思春期を迎えた5歳児同士が顔を見合わせてニヤニヤしてしまうからだ。
この様々な問題を解決するたった一つの野菜がある。
エリンギである。
歌詞は「エリンギはリンリンリン」と決めれば、2番に登場するほかの野菜と同じ4文字で、言葉の抽出も「リンリンリン」と可愛らしく何のノイズもない。ただ、子どもにウケる野菜かどうかは不明である。
さぁ3番だ。
タマネギはエンエンエン
ゴボウはヒョーロヒョロ
グリーンピースはピースピースピース
モヤシはモジャモジャモジャ
3番の法則は「特徴」である。
・タマネギは涙が出ること
・ゴボウは細長いこと
・モヤシはひげがありもじゃもじゃであること
もう問題児はお分かりであろう。グリーンピースである。
しかも、振り付けには「グリーンピースはピース✌ピース✌ピース✌」
とピースまでしてしまっている。完全に3番の法則から外れてしまっているどころか、振り付けてしまっている。
こんなことがあって良いのだろうか。いいや良くない。
しっかり特徴のある野菜が良いと思う。
それは・・・
もちろんエリンギだ。信じられないくらい条件に合致している。
エリンギの特徴はなんといっても「極太」なので歌詞は「ふとっふとっふとっ」でいいだろう。
添削後のやさいのうた完成
これで完璧なやさいのうたが完成した。上記で述べてきたことに加えたすこしだけつけ足しをしているが、良いやさいのうたを園児に歌ってもらうためには仕方ない。これが完成品だ。
エリンギはリンリンリン
キャベツはキャッキャッキャッ
キュウリはキュッキュッキュッ
ダイコンはコンコンコン
カボチャはチャッチャッチャッ
ニンジンはニンニンニン
ハクサイはクサイクサイクサイ
エリンギはリンリンリン
こいつはキノコの一種だエリンギ
なのになぜだかこいつは不人気
しめじの勢い止めるぜクリンチ
最後は力づくだぜ不審死
タマネギはエンエンエン
ゴボウはヒョーロヒョロ
エリンギはリンリンリン
そうだと思ってた。いつもそうだと思ってた。
エリンギさえも遠く及ばない私の想い。
エリンギは人生、エリンギは私。
最後にはエリンギ、エリンギには最後。
そう、全て終わらせて。
モヤシはモジャモジャモジャ
いかがだっただろうか。これで完璧なやさいのうたが完成した。
この記事を読んでいる君たちは、子どもが出来た時にはこれを披露して喜ばせてほしい。
(おしまい)